目で見る歯周病

歯周ポケット内の正常と異常を知ること

通常、炎症反応の起きていない歯肉内縁上皮は毛細血管がうっすら透けて見えますが、触れても出血することはありません。
しかし、炎症反応が起き始めると上皮の表層が欠落し、潰瘍を形成します。
さらに、毛細血管の拡張により表面がより赤みを帯びたり、内部組織からの進出液の漏出や拡張した毛細血管表層からの出血によって歯肉溝滲出液量の増加や、歯肉溝内への血液の流入が起き始めます。

歯周ポケット内の正常な状況を把握した上で、そうでない状況を確認した際に正常に戻すための処置を行うこと。それこそが治療です。 歯周ポケット内における硬組織及び軟組織の所見を知るとともに、その所見を確認した際に行うべきことはなんなのか。そのことを大切にしたいと考えています。

根管と歯周組織

歯周病を治したい。そう考えた際に切り離して考えることができないことの一つに根管内の起炎物質の存在があります。
根管内の起炎物質の存在と歯周組織の治癒との関係性を示す論文があることはもちろんですが、マイクロリトラクションを応用し歯周ポケット内を確認しているとしばし明らかな交通を目にすることがあります。このような状況においては、どんなに歯周ポケット内の起炎物質にアプローチしても治すことができません。
根管治療と歯周治療の両サイドからアプローチすることにより効率的な処置を行なっていただきたいと思います。