歯周病の新しい治療法
マイクロリトラクションテクニック
マイクロリトラクションテクニックとは
ペーパーポイント を歯周ポケット内に挿入し、歯肉の拡幅を維持しつつマイクロスコープを用いて術野を確認することと定義されています。
現在の歯周治療は、当たり前のように手探りの処置が行われていますが、歯周ポケット内の状況は実に様々です。
ポケットが深くなるほど起炎物質は取り残されやすいという論文もあるように、例えどんなに熟練した術者であっても、見えていないものを確実に除去するということはとても困難です。
近年、根管治療にはマイクロスコープを応用するDRが増え、患者様自身が精密根管治療や、マイクロスコープというキーワードを元にクリニックを選ぶことが増えてきています。
一方で、歯周治療においてはいかがでしょうか?
精密歯周治療、マイクロスコープ下での歯周治療の成功率など、歯周治療とマイクロスコープがリンクするようなワードが上がってこないのはなぜでしょうか?
歯周ポケット内の状況は覗けば拡大されて見えるという単純な構造ではないからです。
歯肉溝内には、歯肉溝浸出液が常に流れています。
また、炎症症状があれば上皮下の血管が拡張する為、少し触れると出血する、もしくは歯面に擦れて自然と出血しているという状況になります。
そのような状態でいくら拡大しても何も見ることができないのです。
絶えず歯面に寄ってくる歯肉、絶えず歯肉溝ないを満たしている歯肉溝浸出液、血液、それらをコントロールし、その上で拡大をすることがマイクロスコープというツールを最大限にいかす方法です。
除去すべきものを確実に除去し、除去すべきでないものは必要以上に触れない。見て処置を行うという当たり前の行為が、処置の結果を左右していくのです。